現代の姫塚・達磨寺【道後温泉 達磨寺】

『道後温泉(裏)観光ガイド』
第8回目は、達磨寺です。

道後温泉本館から、
四国八十八箇所霊場の第五十一番札所
「石手寺」へ向かう道中、

「道後プリンスホテル」の隣に
その怪しげなダルマ型の建造物はあります。

これは一体…?

入口にある石碑には
「別格本山 梅渓山達磨寺」
と刻まれています。

達磨といいつつ
中国禅宗にも

インド仏教にも
こんな奇抜な建物をした
寺院はありません。

松山の伝統工芸品に
「姫だるま」
というものがあるのですが、

姿形が異なるため
これも全く無関係。

調べてみたところ
「達磨寺」というお寺は
全国に7つありましたが、

ここはそのひとつに
含まれていません。

つまり仏教寺院としては
登録されていない
ということです。

ちなみに、
「高崎だるま」で有名な
群馬県高崎市には

「達磨寺」が
存在していますが、

道後のこの達磨寺には、
正確な情報は何ひとつなく、

かろうじて残っているのは
ネットにある口伝情報のみ。

それによると、この建物は
1965年~1975年の間に造られたもので、

周辺住民の噂では、
建設された方の奥様が眠る
「お墓」なのだとか。

もちろんその話にも信憑性はなく、

なぜ「ダルマ」なのかも
わかっておりませんが、

見た限り手作り感満載の建物のため、
おおむねそれに近い
事実があるものと思われます。

もし先立たれた奥様のため
という話が事実なら、

熱い夫婦愛を
感じずにはいられません。
合掌。

ダルマとつながっている
隣の建物は、もともと
アパートだったようなので、

松山市内の不動産にも
問い合わせてみましたが、

入居者募集はおろか
物件情報すらありませんでした。

ただかつては確かに
アパートとして存在していたらしく、

過去に1階と2階が
賃貸に出されていたことが
確認できました。

庭も荒れ放題。

現在、誰も生活
している様子はないけれども、

ダルマの中がガラス越しに
覗けるようになっているので見てみると、

内部になんと
祭壇があるではないですか!

しかも意外と
綺麗にしてあります。

もしかしたらどなたかが
定期的に訪れて
管理しているのかもしれません。

あまり余計なことを書くと
憶測がデマとして広まって、

伝説になってもいけないので、
このくらいにしておきます。

さて、ここまでが
「達磨寺」の話ですが、

実はこの建物のすぐ裏に
「義安寺」というお寺があって、

「達磨寺」となにやら
興味深い共通点があるのです。

「義安寺」のことも
紹介しておきましょう。

「義安寺」の右手にある墓地の上に
「姫塚」と呼ばれる小さな塚があります。

これは亡くなった父の遺骨を、
義安寺に手厚く葬り、

墓守をしながら一生を終えたという
伝説のお姫様のお墓。

そのときに義安寺は禅寺だったため、
だるまにその姫の顔を描いて
供養した、とも伝えられています。

これがのちに「姫だるま」として
松山の特産品となった
という説もあるほどです。

先ほど写真で紹介した
「姫だるま」ですが

これも諸説あって
由来ははっきりしていません。

そんな伝説の“姫の塚”から
ここの町名は「道後姫塚」。

そして「達磨寺」も
同じ町内にあります。

「義安寺」が「親子愛」に
達磨が絡んだ伝説なら、

「達磨寺」は「夫婦愛」に
達磨が絡んだお話。

そして、塚(墓) に向かう階段の
雰囲気も、どちらもどことなく似てませんか?

奥様のお墓の話が真実であれば、
絶対に「義安寺」の「姫塚」に影響され
それを意識したのだと思うのです。

そんなわけで、
「達磨寺」は「昭和姫塚」と
いってもいいのかもしれません。

最後に!

「達磨寺」は観光スポットではありません!

本文にも書いた通り、
達磨寺は正式なお寺ではなく、
個人の不動産物件です。

よって見ることは自由ですが、
むやみに敷地や建物内に立ち入ったり、

器物を破損することはもちろん、
落書きや周辺住民の

迷惑になるような行動は
絶対におやめくださいね。

次回は『インスタ映えする円満寺』です。

前回は『スタバ道後温泉駅』でした。